100周年(3)
生誕100周年を迎えたラトビアの文化人として、亡命作家アンシュラウス・エグリーティスの名を挙げることができる。話しはまた少し前に戻るが、そのイベントに行ってきた。
会場はラトビア人協会、9月に我々が北條陽子さんの日本のピアノ音楽のプレゼンテーションを開催したところである。同協会の会長はルームニエクス氏、作家である。数年前から親しくさせてもらっている。
アンシュラウス・エグリーティスは小説と戯曲が有名で、詩も遺している。戦後アメリカに亡命した。イベントは、数名の俳優による戯曲の一部の上演、長編小説の一説の朗読、また彼と親交のあった作家や批評家の話、と盛りだくさんで面白かった。ソ連時代から活躍している老作家、ズィグムンツ・スクインシュ氏が、「彼は亡命作家だから、ソ連時代は読むことが出来なかったけれど、一度古書店で彼の本を見たことがありますよ」と語っているのが興味深かった。 イベントの後は同協会の別室でパーティーが開かれた。偶然、ドイツ人のラトビア文学翻訳家、マティアス君に会い、私は招待されてもいないのにパーティーに参加してしまった。ルームニエクス氏も来ていて、私は外国人向けのラトビア語教材の中にアンシュラウス・エグリーティスの作品が取り上げられているものがあり、いくつかの短編は非常に印象に残っている、という話をしたら、皆とても感心していた。

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