ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2006年11月4日

イタリア・バロック・コンサート

 11月3日(金)、夕方6時から聖ペテロ教会にて、標記の演奏会が行なわれた。 その前に用事があってラトビア・ラジオに行った。北條さんのコンサートの録音をしてくれたK氏に会ったのだが、ソ連時代末期の人間の鎖(皆さん、覚えていますか?ここでは「バルトの道」と呼んでいる)のいわばテーマソングともいうべき曲の譜面のコピーをいただいた。同じ旋律にバルト三国の3つの言語の歌詞がついている。こういう曲はありそうで、なかなかない。
 それでも時間があったので音楽ショップをのぞいてみた。最近国内で出たCDは、と尋ねると何枚か知らないのがあったので、2枚購入。
 1枚目は二人のラトビア人作曲家の合唱曲集。エッシェンワルツは若手のホープ。ドゥブラも若手に属するが宗教音楽の分野では確固たる地位を築いている。先日私の大学時代の同輩T氏が旅行で当地にやってきたときも、ちょうどリーガ大聖堂(ドーム)でドゥブラの作品をやっていたので一緒に聴きに行った。もう一枚はブリエシカルンス率いるジャズ・クインテットがラトビアのさまざまな時代の作曲家の作品を編曲して演奏したもの。たまにはこういうのも面白そう。
 さてその後、会場を勘違いしてヨハネ教会に行ってしまったが、ペテロ教会までは歩いて2,3分なので間に合った。ここは観光客の大多数がエレベーターで上るであろう、旧市街で一番高い展望台のある教会だが、たびたび演奏会も行なわれる。趣があっていい場所だ。この日は音楽アカデミーの学長も来ていた。演奏会は、コレルリなどの合奏協奏曲を2曲やった後、休憩なしでストラデッラという、大バッハより30年ほど前に生まれた作曲家のオラトリオ。やはりバロック音楽を聴くと気持ちが落ち着く。