初心に帰る
2週間ほど前のことだが、音楽ショップや書店を数件回った。ムシカ・バルティカという楽譜屋さんで面白いものを見つけた。ラトビアの作曲家の主要な作品を、その断片ばかり並べた楽譜で、2枚組CDもついている。130曲以上もある。
楽譜を広げておたまじゃくしを追いかけながら、CDを聴いてみると、正直、懐かしさがこみ上げてきた。日本にいた頃、通販などでラトビア音楽のCDを集めて聴いていたのを思い出す。しかし、このようにして集めたのを聴いていると、基本に立ち返ることが出来るものだと思う。知っている曲も知らない曲もある。自分の知識を整理できるのである。私は専門家ではないから、このようにして改めて確認できるのはよいことだと痛感した。また、楽譜屋さんでは合唱音楽の同様のCDをくれた。太っ腹というのか、ありがたいことである。これも聴いたとき、やはり同じことを感じた。
しかし、専門分野(だと自分が思っていること)でも同じだということを、まもなく痛感した。数日後、部屋を整理していて、ラトビア語の教科書を久しぶりに手にとって眺める機会があった。ドイツで出た『ラトビア語集中講座』である。これは、ラトビア語の初級教科書としては最も良いものだが、ドイツ語で書かれているので、日本人にはあまりお薦めできないのが残念である。本書も日本にいた頃手に入れて、ドイツ語の説明を、辞書と首っ引きで読んでいたのだ。たくさん書き込みがしてある。既に文法は一通り習得していたから、その知識をフォローするつもりで読んでいたのだが、今読んでも、完全に咀嚼していないことが色々あるのを発見した。恥ずかしいことである。また、ラトビアの文化事情を一通り知ることが出来るようなテキストが選ばれている。その点でも優れた本である。

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