1月6日のコンサート
話が一ヶ月ほど前にさかのぼってしまうが、1月6日は日本で何と呼ばれているのか知らないが、エピファニー、つまりキリストの顕現を記念する日である。東方の三賢人に関係しているらしいのだが、一応ヨーロッパにいるくせにキリスト教に疎いので、いい加減なことを書くとお叱りを受けそうだから、これでやめておく。ラトビアでは「星の日」とロマンチックな名で呼ばれている。
この日、リーガ大聖堂で宗教音楽(こう訳しても間違いではないが、もう少し原義の「精神」に近い意味でうまく訳せないものだろうか)のコンサートがあり、行ってみた。 オルガン、大聖堂合唱団、ボーカル・グループの出演である。プログラムは初めにフランス、イタリアの古い音楽、それから1977年生まれのラトビアの作曲家、エーリクス・エッシェンワルツの「祈り」、さらに20世紀のフランスなどの作曲家の作品と続いた。私はもともとバロック音楽に慣れ親しんできたので、前半はよかったが、後半は余り耳に心地よくなかった。同行者も古い音楽が好きなので同じことを言っていた。
こんなことばかり書いていると音楽のど素人のようだが、実際そうなのだから恥を忍んで書かせてもらうと、この大聖堂で行われるコンサートはたいてい、途中休憩がなく、しかも曲と曲の間に拍手をしない。拍手は全プログラムが終了したときだけである。外国人観光客も多いのに、これが定着しているのは不思議である。だから知らない曲ばかりだと、プログラムを買って(私はどこでも必ず買う)追いかけていても、わからなくなることがある。クラシックに余り親しんでいない人がコンサートに行って、誰のどんな曲をやっているのか、わからなくなっていら立つ気持ちが私にはよくわかる。
もう一つの特徴といおうか、この大聖堂では演奏中も場内がずっと明るく、また途中で出て行ってしまう人が結構多い。日本の聴衆はとても生真面目で、静かに座って真剣な顔で聴いて、律儀に拍手をする。未だ日本人にとっては、クラシック音楽は真面目に勉強するものなのだ。修行なのである。私は別にそれを嘆くわけではないが、日本人ももう少しリラックスできればいいのに、と思う。
以上、ラトビアの音楽情報を伝えるにはお粗末な内容だが、あまり大上段に振りかぶるのもガラではないので、お許しいただいて、今後も適当におつきあい下さい。

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