ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2007年3月4日

ノーベル賞?

 前回投稿した記事に、北條さんの東京リサイタルの告知をしたが、ハイパーリンクになっていないようである。アドレスをコピー・ペーストして貼り付けていただきたい。
 さて、この週末は恒例の本の見本市が、大型イベントスペースを利用して行なわれた。大半がラトビア国内の出版社・書店の出品だが、バルト関係の本を出しているドイツの出版社も出品している。新刊書の宣伝というより、最近数年の本の安売りという意味合いが強いのだが、とにかく掘り出し物があるので私は必ず行く。
 ある出版社の知人から残念な話を聞いた。私が以前日本語に訳したことがあり、個人的にも親しい詩人クヌツ・スクイェニエクス氏が、入院生活を送っているということなのである。
 ラトビアはノーベル文学賞に縁がない。これまで二人の詩人が、候補に上がったという噂がある。最近ではビズマ・ベルシェビツァという女性詩人が噂になっていたが、亡くなってしまった。ノーベル賞は物故者には授与されない。ベルシェビツァが元気だった頃から、国内の関係者の間では彼女のみならず、スクイェニエクスも候補にふさわしいといわれてきた。彼は1960年代に政治犯として流刑され、7年間収容所生活を送ったのだ。
 ノーベル賞云々とは関係なしに、また元気な姿を見せて欲しいと思う。昨年9月、70歳の誕生日が盛大に祝われ、光栄なことに私も招待を受けた。またあのような機会があることを心から祈るものである。