ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2007年5月5日

ノルウェー宗教音楽

 先週木曜、オルガンで有名なリーガ大聖堂にて、ノルウェー宗教音楽の演奏会があった。珍しい?ジャンルだし、大聖堂は久しぶりなので行ってみた。この日は大ギルドで別の大きなコンサートがあったせいか、大聖堂は人が少なかった。早めに会場に着くと、作曲家のバスクス氏がいて、ちょっとお喋りした。彼は国際的にも非常に有名だが、とても気さくな人で、ラジオ出演の話をしたら喜んで、「必ず聴きますよ」と言ってくれた。最近、小惑星か、新発見の恒星か忘れたが、彼の名がつけられた。その位偉い人なのである。実はラジオの収録の時、司会のサンドラさんが、「あなたはバスクス氏に『ラトビア音楽の友』と呼ばれているそうですね」といってくれた。自分で言うと嫌味だから、他人に言わせたわけである。とここで書いていること自体が、嫌味だが。
 我々はプログラムを買って着席した。隣に、ひとりで来ている女性がいて、「そのプログラムはどこにあるんですか」ときいてきたところ、バスクス氏はさっと立ち上がって、プログラムを買いに行き、戻ってきて彼女にプレゼントした。世界のバスクスが、である。こういう所がジェントルマンなのだなと感心した。私など、全然修行が足りない。
 プログラムは勿論ノルウェーの宗教音楽なのだが、グリーグの、宗教音楽でない作品のオルガン編曲などもあったし、最後の作品は素晴らしかったが、スコットランドの作曲家の作品であった。やはりマイナーなジャンルのようである。