ラトビア民謡の講演会
知人から面白い招待状を(メールだが)もらった。
ラトビアの伝統的な民謡のことをダイナ(複数形はダイナス)というが、その歌詞に歌われている「石」という単語の起源について、講演会があるというのだが、その講演者がフランス北部ののブルトン人(ケルト系)で、ラトビア語を流暢に話す人だということである。知人はその企画をしていたのだった。
11月1日午後6時、勝手知ったるラトビア協会の、さほど大きくないホールは、6時近くになってほぼ満席の状態であった。 講演者については「ダイナの研究で修士号を取得」と書いてあるだけだったが、確かに若い男性であった。チラシには、ラトビア語に非常に堪能なので、講演はすべてラトビア語で行なうと書かれており、はたして、なかなか上手であった。しかも、ラトビアへやってきたのは5,6年ぶりだという。私など、ずっとこちらに住んでいるのに、たどたどしいのだから、恥ずかしい。そして、サンスクリットやベーダ語、古アイスランド語などの該博な知識を駆使して、縦横無尽に語るのには、一同圧倒されたものだ。
講演が終わり、10数人の人が残って、しばらくおしゃべりをしていた。その後若い人5,6人(私も一応若い、ということで)で飲みに行くことになった。外国語がいくつもできる天才というのは、やはりどこか変わっている。ほかのラトビア人たちは、日本人とブルトン人がラトビア語で知的な(?)会話をするのを、面白がって聞いていた。
日曜日、そのときいた友人の誕生祝いを兼ねて、民謡を歌う会をやるというので、我々一同お誘いを受けた。初対面の人が多かったが、殆どがアメリカ、ドイツ、カナダなどの移民二世だった人々で、ラトビア語はよくできるがほんの少しなまりがあったり、英語やドイツ語のほうがよくできる、という人たちであった。木曜日も一緒に飲んでいたA嬢は、声を張り上げる昔ながらの野趣あふれる歌い方で、知っている歌の数も半端でなく多いのだが、レパートリーにラトガレ民謡が多いので、そっちの出身なのかと訊いたら、「いいえ、リーガよ」と、ラトガレ方言で答えていた。さらに、 エストニア語、リーブ語の他、バルト・フィン系のイジョル語の歌まで披露してくれた。
こうして親しくなったブルトン人の友人だが、今はベルリンに住んでいるという。以前、ラトビアにいたころはフランス語の講師をしていたそうだ。もうベルリンは飽きたので、またラトビアに舞い戻るか、それとも彼のことだから、別の言語を習得して別の国に赴くかもしれない。またクリスマスにラトビアに来るかもしれないと言っていた。そのときが楽しみである。

1 Comments:
①【「石」という単語の起源について、講演会があるというのだが、】ほいで、どんな起源だったの?
②【その講演者がフランス北部のの(ママ)ブルトン人(ケルト系)で、ラトビア語を流暢に話す人だということである。】なして流暢に?
③ところで、このヲ方の生業は?
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