ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2006年11月16日

スカンディニエキ

 11月11日(土)、フォークロア・グループ「スカンディニエキ」の結成30周年記念イベントがあった。会場は鉄道博物館、大きなホールがありときどきイベントに利用される。
 このグループは1976年、まだソ連時代だが、民俗音楽を演奏するグループとして公認され、日本でも「世界民族音楽大系」のビデオに収録された、彼らの歌や踊りを見ることができる。私もずいぶん前に見た記憶があるし、知り合いが何人かいるので友人家族と一緒に見に行った。
 彼らの中には、このブログで度々紹介している、先住民族リーブ人も何人か入っていて、彼らのアイデンティティ復興の色彩も強い。訪れた客の中にも、リーブ人が多数いたし、プロシア人を自認する人々もいた。
 プロシアというと、プロイセンとも呼ばれるドイツの一部という認識が一般的だろうが、バルト系、すなわちラトビアやリトワニアと同じ系統の、プロシア人という民族が住んでいた。彼らはプロシア語という、やはりラトビア語やリトワニア語に近い言語を話していたが、約300年前、ドイツ人に同化されプロシア語を話さなくなったとされている。彼らの子孫を自認する人々の一部が、やはり活動を行っているのだ。彼らは現在、ドイツやリトワニア、一部はラトビアにも住んでいる。ポーランドにもいそうだが私には未確認である。
 会場で私に話しかけてきたラトビア人(?)の若者は、母語はラトビア語だが、復興されたというプロシア語をもちいて仲間と会話したり、メールのやりとりなどをしているという。私も以前資料を集めたが、現代プロシア語というのを作り上げて辞書などを作っている人々がいるのだ。しかし残念ながら、プロシア語で書かれたものは非常に少なく、全て集めても薄い本一冊程度であり、そこから現代語として蘇らせるのは至難の業である。学術的には信頼しがたいのである。アカデミックな研究者は相手にしていない。
 しかし私はそれとは別に、こういう活動に情熱を燃やしている人々がいること自体を、興味深く観察している。

2 Comments:

Anonymous 匿名 said...

初めまして、宜しくお願いします。僕はバルトの国々に興味を持っています。
僕はプロシアが好きで、プロシア語を勉強したいと思いますが、ネットや図書館で調べても全く資料がなく、プロシア語を知るのは難しそうですが、僕もラトビア人の若者達に期待したいと思います。
プロシア語をネットで調べていて、このサイトに出会いました。頼りにさせて頂きます。プロシアに関する情報があれば、それも宜しくお願いします。お世話になります。

2008年1月23日水曜日 11:56:00 GMT+2  
Blogger Gr said...

プロシアン様
お返事が遅くなりまして申し訳ありません。
プロシアに関心のある方とは正直驚きました。こちらこそよろしくお願いします。
私はこちらでプロシア語の授業に出たことはありますが、専門的知識がなくあまりお役にたてないかもしれません。
ただ、ご存じの通り日本語で読める文献というのは皆無に近く、少なくともドイツ語の知識は絶対に必要です。ロシア語も知っていた方が望ましく、さらにリトワニア語も…となるときりがありませんが、出来ることから手をつけていけば良いと思います。
今のところこんなことしか書けませんが、ご質問などご遠慮なくお寄せください。

2008年2月25日月曜日 23:24:00 GMT+2  

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