連休(2)
5月4日はその独立回復宣言公布記念日である。
友人が、ドキュメンタリー映画の招待状をもらったというので、一緒に見に行った。戦前ラトビアが独立していた頃、ミノックスという小型カメラがここで生産され、全世界に輸出されていた。日本で出ているガイドブックにもコラムがあるので、ご存じの方も多いかもしれない。映画は、この小型カメラを開発した人(ユダヤ系ドイツ人?)のインタビューを中心にまとめられている。ドイツ語だからラトビア語の字幕が入っていたが、エストニアを訪問した時、エストニア語を思い出してしゃべっていたので友人が驚いた(友人はエストニア語の専門家である)。
この人はソ連占領時にドイツ、その後スイスに亡命した。世界のミノックスの開発者だから、当然カメラメーカーを再び立ち上げ、開発研究の仕事をしたが、発明者にはありがちなことでどちらかというと不遇だったようである。2003年だったか、98歳の生涯を閉じた。映画は彼の晩年、半世紀以上ぶりに、若いころ仕事をしていたラトビアとエストニアを訪れた模様を撮影したものである。
この日は「映画マラソン」というイベントが行われていて、ミノックスのドキュメンタリーもその一環であった。その後、アニメーション映画「私は奏で、踊る」の上映が予定されていたので、私たちはそのまま残っていた(友人がもらった招待状が、ほかの映画にも有効だったのかは定かでない。だいたいこの国は、そういうことにはおおらかである)。このアニメは、詩人ライニスの同名の戯曲を元に作られたもので、テキストはすべて歌になっている。音楽は民族音楽アンサンブルを率いる有名な音楽家たちが担当していて、素晴らしいものに仕上がっていたが、アニメはひどかった。友人も同意見であった。

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