ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2007年11月11日

ドゥブラの作品演奏会

 リハルツ・ドゥブラという作曲家がいる。まだ40代だが、既に宗教音楽の若き巨匠としての地位を、確立している。
 11月10日、旧市街の聖ペテロ教会にて、ドゥブラの作品のみをとりあげた演奏会があった。聖ペテロ教会はノッポの塔が展望台になっており、観光客が一度は訪れる場所であるが、演奏会も時々開かれるのである。演奏は中等学校の生徒たちで、彼らの発表会という形だったので、お客さんは彼らの家族が大半だったかもしれない。演奏のレベルもそこそこであった。
 それでも、ドゥブラの作品を聴く機会はそう多くはないし、一つの演奏会がドゥブラだけ、というのはめったにないので、十分楽しんだ。
 印象深かったのは「小交響曲第4番」である。木管が中心となって紡ぎだす旋律は、たとえようもない美しさ。それを支える弦楽器の動きは、ペレーツィスを思わせるところもあった。ちなみにペレーツィスは作曲を教えていないので、師弟関係はないだろうが、知らず知らずのうちに影響を受けた、ということはあるかもしれない。
 ともかく、40代前半でこれだけ大成した作曲家がいるのだから、ラトビアの音楽界は人材に事欠かない。