ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2007年5月11日

CDプレゼンテーション

 ピアニストの北條陽子さんが4月にCDを出したことは、すでにお伝えしたが、そのプレゼンテーションが10日(木)、行なわれた。場所は作曲家連盟である。
 どういういきさつでそこでプレゼンをやることになったのか、だれが言出しっぺだったのか、万事好い加減な私は正直なところ覚えていないのだが、私が軽い気持ちで何か言ったのに対し、向こうがとても乗り気になり、実現にこぎつけたのだと思う。しかし、なかなか日時の折り合いがつかず、2度ほど延期してようやく開催できた。2日前に同連盟会長からメールで招待状が届き(宛先にたくさんのアドレスがあったので驚いた)、当日は手狭な会場に多くの関係者が駆けつけてきてくれた。
 ペレーツィス氏は勿論、CDのもとになったリサイタルの録音をしたクルベルクス氏、前作曲家連盟会長、音楽図書館の代表などが来ていた。週刊誌の記者も来た。有名人のゴシップなどを載せている雑誌だが、数日前に私にインタビューの申し入れがあったので、ならばこの企画のことも書いてもらおうと思ったのと、なかなか時間が取れなかったので、来てもらったのである。初めに、昨年9月にこちらで行われた北條さんのリサイタルの翌日、プレゼンの司会をした音楽学者のボミクス氏が、その時の模様を語ってくれた。この人は司会がうまいので、話を聞いていて「おお、そうだったのか」と感心してしまった。私はそのとき通訳をしたはずなのだが。CDを全部聴ければよかったが、ペレーツィス作品が演奏されたことが重要なので、まずそれを聴き、それから日本の作曲家の作品を聴いた。私は北條さんのメッセージを伝え、「先日ラジオで言いましたが(懲りずにラジオ出演の自慢である)、ペレーツィスの音楽は日本人に受け入れられやすいと思います。もしかしてラトビア人よりも?そのことは東京リサイタルのお客さんの反応で示されました」といったら、やはり意外だという反応があった。
 その後、皆でワインやブランデーを片手に、届いたばかりの東京リサイタルのDVDを見ることになった。私の印象では、ペレーツィスの「第4組曲」は東京リサイタルの方が2度目ということもあってか、良かったと思う。会場はなんだか、終始とても和やかな雰囲気であった。それから別室で二次会(?)となり、久しぶりに随分おしゃべりをした。

2 Comments:

Anonymous 匿名 said...

〈私の印象では、ペレーツィスの「第4組曲」は東京リサイタルの方が2度目ということもあってか、良かったと思う。〉――小生、現地録音CD(昨年秋リガでののリサイタル)と東京リサイタルを二つながら拝聴に及んでをりまするが、良し悪しは別にして、たしかに北條女史の演奏自体、かなり違っていましたね。それを小生は、「ペレーツィスの作品は、折々に異なった演奏が許される、もしくは、(演奏家は)異なった演奏をしてみたくなる、ものである」と考へましたな。それだけ、寛容度が高い、つーことでやんす。だから、「いつ聴ひても面白い」ノダ。

2007年5月15日火曜日 10:18:00 GMT+3  
Blogger Gr said...

Kurmitis 様
 コメントをありがとうございます。
 両方のコンサートを生でお聴きになった方というのは、北條さんご本人は別として(笑)、Kurmitis 様と北條さんのご主人、だけでしょうか?それだけに貴重なコメントだと思います。
 CDは編集されていますし、DVDは撮影したのがそのまま、であっても、映像を見ながらでは随分と印象が違うなど、考えてみると比較は難しいですね。演奏解釈の自由度、寛容度が高い、というのは私もまったく同意見です。
 これはひょっとすると、ペレーツィス氏がバロック以前の音楽の研究者であることと、関係がありはしまいか?なんて考えてみました。バロック時代頃までは、楽器編成も自由、それどころか通奏低音なんてのがあって、かなり演奏者任せだったようですね。そこまで行かなくとも、彼の音楽の根底にそういうものがあると思います。
 こちらは夏、ビールの美味しい季節です。ラトビアのビールも美味しいですが、たまたまチェコのビールがあったので買って飲んでみました。ほろ酔い気分でこれを書いております。乱文乱筆失礼!

2007年6月4日月曜日 22:27:00 GMT+3  

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