ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2008年4月2日

友、遠方より来るあり

 一昨年から旧ソ連の某国で仕事をしている旧友のF氏が、3月下旬に休暇を取ってラトビアとリトワニアにやってきたので、リーガを案内した。こんな所へ(失礼)やってくる知人は少ないので、とてもうれしいことである。
 今年は3月20日が春分日で、この日をもって春の始まりとしている。ラトビアでは今年は3月21日と24日がイースターの公休日で、例年金曜と月曜に設定され、4連休が取れるようになっている。ちなみに、ラトビアでは、最近になってようやく振替休日が設定されるようになった他、祝日が火曜日や木曜日にあたる場合、月曜日や金曜日を休日と定める代わりに、土曜日を「代平日」にするということも行なわれている。話がそれたが、その後F氏は一人でリトワニアへ行き、任地へ戻る日の夕方にリーガに戻ってきたので、再び落ち合って空港まで同行した。リトワニアまで同行できれば良かったが、私の方がいろいろ用事が入っており、それはかなわなかった。
 それにしてもここ最近の気候の変動は、面白いと言ったら変かもしれないが、とにかく面白かった。まず、この冬は80数年来の暖冬で、毎冬数日はある零下20度以下の寒い日が、ついになかった。この点では地球環境が心配である。雪は降ってもすぐ融けてしまっていた。それが、イースターの少し前から、何度もまとまった雪が降り、かなり積もった。しかしイースターが明けるとまた暖かくなり、すぐに雪が融けてしまい、すっかり春の陽気である。
 私のリーガ案内は、これといって特徴はなく、ガイドブックに載っているような旧市街、アールヌーボー、野外民俗博物館といったところで、今回もそうであった。F氏にはあまりなじみのない地域ということで、かなり新鮮だったようである。野外民俗博物館は、ちょうどまとまった雪が降り、川崎にある日本民家園を彷彿とさせる家並とよく合っていた。ちなみに、ここで発行されている紙幣にも、伝統的な農家を描いたものがあり、日本人の多くが「日本の昔の茅葺き農家みたいですねえ」という。
 リーガ旧市街では、F氏が重大な使命を果たすため、真剣な顔をしていた。妻子へのお土産である。一人で来てしまったので、これは欠かせない。すると琥珀の店があった。私はどうも、琥珀なんていい土産になるものかな、と思っていたが、旧市街で数件回った店ではかなり加工技術の高い製品(値段もそれなりに高い)が並んでいて、なかなか進歩しているようだ。住んでいるのにこういうことに気付かないとは、恥ずかしい。またある店では、アルバイトの若い女性が日本語を話すので、一同びっくりした。
 F氏は一人で行動中、書店を回って本をたくさん買ったようである。なんといっても、こうして外国にいる者同士が(もちろん日本からでも歓迎だが)行き来して、情報交換ができれば、これほど面白いことはない、と改めて思ったのであった。