ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2007年11月25日

室内楽コンサート

 11月24日、ラトビア協会で室内楽コンサートがあったので、行ってみた。出演は若手の女性ばかりで、フルートとピアノとバイオリン。前半がラトビアの作曲家の作品、後半は作曲家の名前から察するに、おそらくイギリスの現代作曲家の作品であったようだ。
 前半はバスクスの「フルート独奏のための鳥のいる風景」で始まった。バスクスの作風には、写実的な要素はないと思っていたが、この作品はなかなかどうして、文字通り鳥のいる風景そのものなのであった。高校時代、ある音楽理論の入門書を読んでいたとき、「木管楽器には、複数の音を同時に出す奏法があり、現代音楽で使われている」と書いてあるのに出くわして、本当だろうかと長年疑っていたのだが、この曲でそれが使われていて、なるほどと納得した。その後も、グリーヌプス(故人)の「フルートとピアノのためのノクチューン」、シュミードベルクスの「フルート、バイオリン、ピアノのための三重奏曲」という二人のラトビアのベテラン作曲家の作品が続いた。
 後半はリバーマン、グリフィン、クラークという、おそらくイギリス人と思われる若手作曲家3名の、それぞれ「フルートとピアノのためのソナタ」、「フルート独奏のための断片的ロンド」、フルートとピアノのための4つの商品が演奏された。クラークの4作品のうち、2曲目が大変印象的な旋律で、演奏者もそれをわかってか、アンコールでその曲をもう一度演奏した。
 こういう演奏会はたびたびあるが、若手演奏家の内輪の発表会のような感じかと思って来てみたら(お客は少なかったが)、ラトビア・ラジオの関係者が何人か来ていて、録音もされていて、それだけに演奏のレベルも高く、それなりのものであったのは、うれしい誤算であった。