ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2008年1月1日

ラトビア交響楽コンサート

 12月8日、リーガ旧市街の大ギルドで標記のコンサートが開かれた。2ヶ月近くも前のことをやっと投稿するなんて、ブログ作者失格だが、非常に忙しかったということでお許しいただきたい。さて、このコンサートはほぼ年に一度の恒例行事になっているもので、国内のプロ・オーケストラが交代で、指揮者も交代する大がかりなものである。今回は、ラトビア西部の「音楽の都」と呼んでもよいリエパーヤの、リエパーヤ交響楽団(ラトビアで最も古いプロオケである)、大ギルドを本拠地とするラトビア国立交響楽団、国立室内楽団「シンフォニエッタ・リーガ」、ラトビア国立オペラ座管弦楽団と、実に4つものオーケストラが参加するという、壮大なものであった。19時開演で、終演したのは22時半ちかくであった。
 ラトビア交響楽の歴史は、130年近くになるが、ヨーロッパではそれほど古い方ではなく、日本と同じくらいである。この演奏会では毎回、黎明期の傑作と、現代の作曲家の作品の他、知られざる作曲家や作品を1曲は取り上げることになっているようである。テレビとラジオで中継され、ラトビア・ラジオの3チャンネル「クラシック」でおなじみのグンダ・バイボデさんが司会を務めた。
 中継の場合は司会進行がとても丁寧である。コンサートはラトビア西部のリエパーヤ交響楽団が奏でるヤーゼプス・メディンシュの交響曲第2番『春の中に』で幕を開けた。これはラトビア交響楽の古典である。続いてオーケストラが国立オペラ座管弦楽団に交代し、ソ連時代の反体制作曲家ルーツィヤ・ガルータのピアノ協奏曲。ソリストはなかなかうまい。
 ここから時代は現代に飛ぶ。エッシェンワルツの「室内オーケストラのための新作」、ペーテリス・ブターンス「サクソフォン四重奏と室内オーケストラのためのフェスティバルの音楽」(以上はノルムンツ・シュネー率いる室内楽団「シンフォニエッタ・リーガ」による演奏)と続く。
 さらに、50歳を迎えたアルトゥルス・マスカツとカールリス・ラーツィスの新作が、ここ大ギルドを本拠地とするラトビア国立交響楽団により演奏された。とくに後者の「瞬間の選択の誘惑」(どうもうまく訳せない)は、打楽器が10数台もある豪華絢爛な作品で、存分に楽しませてもらった。
 今回はつまらない印象批評は書かないことにしよう。インターネットラジオで世界中どこでも、いつでも聴けるからである。
http://www.latvijasradio.lv/program/2007-12/20071208_3.htm
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