ラトビア交響楽コンサート
12月9日(土)、国立オペラ座にて、国内の3つのオーケストラ、3人のソリスト、4人の指揮者による標記の演奏会が開かれた。3部に分かれ、開演7時で終了は10時過ぎだから、なんとも大掛かりなものであった。
会場はほぼ満員。私は2日前に切符を買ったが、その時点でほぼ売り切れであった。ラトビア人も、クラシック音楽といえばまずドイツものやオーストリアもので、ロシア音楽も人気があるということで、ラトビア音楽だけではそうそう満席になることはなさそうなのだが、今回はいろいろ特別企画が組まれていたのと、宣伝に力を入れていたためか、大入りであった。
オケピットをかさ上げしたため、舞台は随分広く使っていた。司会進行はラトビア・ラジオのクラシックチャンネルで活躍しているグンダ・バイボデさん。第一部はラトビア音楽の古典とも言うべき、このブログでもしばしば取り上げているヤーニス・イワノウスと、V.ダールズィンシュの作品。第2部は、現代の作曲家の作品。作曲家でピアニストのプラキディスによる、ロッシーニのパロディーのような作品。弦楽ソナタあたりをイメージしているのだろう、編成はチェロ独奏と弦楽合奏。この作品は、初演が今年11月の独立記念日コンサートで、独奏者は同じ若手の女性。それから、音楽学者でもあり、ラトビア国立響の団長でもあるブレゲ女史の交響曲第2番、世界初演と続いた。第3部は西部の地方都市リエパーヤの、リエパーヤ交響楽団の客演。オコロクラクスという、まったく忘れられていた作曲家の作品。実は彼は別のペンネームで、シュラーゲル音楽の作曲家として西欧では有名だったらしい。最後は老作曲家R.カルソンスのバイオリン協奏曲。ソロはエリザベート・コンクールで優勝し、日本を含む世界中で活躍している、バイバ・スクリデ嬢。
今回、私が以前から追いかけているペレーツィスの作品は取り上げられなかった。彼の交響楽作品はあまり多くない。でもペレーツィスだけがラトビア音楽ではない。ラトビア交響楽を古典から現代まで時間の許す限り取り上げ、この演奏会のための委嘱作品を織りまぜ、しかも知られざる作曲家の作品まで発掘して、大変素晴しい企画であった。ごちそうさまでした。