リーブ写真集
こちらでは、春分日をもって春の到来としている。日本の立春は早過ぎて、春になった気がしないが、こちらでは今年、本当に春の訪れを感じさせた。現地人もみな春の気分である。15度以上と、観測史上最高気温を記録した地域もある。それでも東京などに比べれば寒いが…
さて、ストックホルムに中村重喜さんという写真家がいる。昨年まで知らなかったのだが、数年前からたびたびラトビア等を訪問し、リーブ民族の取材を行なっている。
先日中村氏がラトビアを訪問、地方にも出かけ最後の取材を終え、一区切りつけて写真集を出すことになり、リーガ市内で打ち合わせをした。我々はもうだいぶ以前から、写真につけるコメントをラトビア語、英語に訳す作業を行なってきたのである。中村氏自身が日本語で書いたとても詩的な文章を、私がまず下訳した。ラトビア語訳は、私の友人で若手詩人のマーリス・サレーイス君により、校閲というよりまったく別の詩として生まれ変わり、英訳は、ラトビア詩の英訳を多く手がけるカナダ在住のマルギタさんが担当した。日本で出す予定はないということで、残念ながら日本語原文はつかない。当初予定になかったスウェーデン語訳もつけることになっていて、これは著名な亡命ラトビア人詩人・訳詩家のユリス・クロンベルクス氏が担当している。マーリス君にそのことを話したら、とても恐れ多いという顔をしていた。私にとっても光栄である。
これから最終的な校正を行い、夏には出るのではないかと思う。今から楽しみである。