ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2007年3月24日

リーブ写真集

 こちらでは、春分日をもって春の到来としている。日本の立春は早過ぎて、春になった気がしないが、こちらでは今年、本当に春の訪れを感じさせた。現地人もみな春の気分である。15度以上と、観測史上最高気温を記録した地域もある。それでも東京などに比べれば寒いが…
 さて、ストックホルムに中村重喜さんという写真家がいる。昨年まで知らなかったのだが、数年前からたびたびラトビア等を訪問し、リーブ民族の取材を行なっている。
 先日中村氏がラトビアを訪問、地方にも出かけ最後の取材を終え、一区切りつけて写真集を出すことになり、リーガ市内で打ち合わせをした。我々はもうだいぶ以前から、写真につけるコメントをラトビア語、英語に訳す作業を行なってきたのである。中村氏自身が日本語で書いたとても詩的な文章を、私がまず下訳した。ラトビア語訳は、私の友人で若手詩人のマーリス・サレーイス君により、校閲というよりまったく別の詩として生まれ変わり、英訳は、ラトビア詩の英訳を多く手がけるカナダ在住のマルギタさんが担当した。日本で出す予定はないということで、残念ながら日本語原文はつかない。当初予定になかったスウェーデン語訳もつけることになっていて、これは著名な亡命ラトビア人詩人・訳詩家のユリス・クロンベルクス氏が担当している。マーリス君にそのことを話したら、とても恐れ多いという顔をしていた。私にとっても光栄である。
 これから最終的な校正を行い、夏には出るのではないかと思う。今から楽しみである。 

2007年3月4日

ノーベル賞?

 前回投稿した記事に、北條さんの東京リサイタルの告知をしたが、ハイパーリンクになっていないようである。アドレスをコピー・ペーストして貼り付けていただきたい。
 さて、この週末は恒例の本の見本市が、大型イベントスペースを利用して行なわれた。大半がラトビア国内の出版社・書店の出品だが、バルト関係の本を出しているドイツの出版社も出品している。新刊書の宣伝というより、最近数年の本の安売りという意味合いが強いのだが、とにかく掘り出し物があるので私は必ず行く。
 ある出版社の知人から残念な話を聞いた。私が以前日本語に訳したことがあり、個人的にも親しい詩人クヌツ・スクイェニエクス氏が、入院生活を送っているということなのである。
 ラトビアはノーベル文学賞に縁がない。これまで二人の詩人が、候補に上がったという噂がある。最近ではビズマ・ベルシェビツァという女性詩人が噂になっていたが、亡くなってしまった。ノーベル賞は物故者には授与されない。ベルシェビツァが元気だった頃から、国内の関係者の間では彼女のみならず、スクイェニエクスも候補にふさわしいといわれてきた。彼は1960年代に政治犯として流刑され、7年間収容所生活を送ったのだ。
 ノーベル賞云々とは関係なしに、また元気な姿を見せて欲しいと思う。昨年9月、70歳の誕生日が盛大に祝われ、光栄なことに私も招待を受けた。またあのような機会があることを心から祈るものである。

2007年3月1日

北條さん東京リサイタル

 今回はラトビアの現地情報ではなく、都内で行われるコンサートの告知をしたいと思う。
 昨年9月、こちらでリサイタルを開いた(9月のブログ参照)ピアニスト北條陽子さんが、3月19日19時より、東京の津田ホールで再びリサイタルを開催する。
 詳しくは、主催のムジークレーベンのホームページをご覧ください。
リンクはこちら↓ 
http://www.musikleben.co.jp/artist/details/hojo.html
 なお、昨年のリーガ公演がCDになって発売される。詳細は未定だが、制作が間に合えば19日の演奏会場で頒布する予定の他、山野楽器の店頭に並ぶかもしれないとのことである。