ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2008年5月17日

ラトビアの弦楽四重奏曲

 先日、所用で文化関係の仕事をしている友人に自宅へ来てもらうことがあり、いろいろと話をしていたら、面白いCDを見せてくれた。持つべきものは友達、話題は尽きない。そのCDとは、ラトビアの作曲家らの弦楽四重奏曲ののアンソロジーであった。しかも2枚組で、1枚目がラトビアのクラシック音楽のいわば「古典」、2枚目が現代の作曲家たちの作品、と分かれている。
 私は高校時代から、クラシックを中心にいろいろな音楽を聴いてきたが、本当のところ、もっとも思い入れのあるジャンルは、弦楽四重奏などの室内楽である。しかし、ラトビアの作曲家の弦楽四重奏曲については、あまりよく知らなかった。CDで手に入るのはバスクスぐらいで、その他ペレーツィスの「弦楽四重奏のためのラメント」を、ペレーツィス氏ご本人に聴かせてもらったぐらいであった。
 というわけで、そのCDを見せてもらったとき、もちろん欲しくなり、どこでどうすれば手に入るかと訊いたら、これはラトビア音楽情報センターが非営利目的で制作したもので、レコード店の店頭に並ぶ可能性はあるが、センターに問い合わせた方がいいという返事であった。私としてはその人と共通の知人がそこに勤めているので、さっそく問い合わせてみた。すると、5月12日に音楽アカデミーでプレゼンがあるから、ぜひ来てくれという返事があった。
 この日はプレゼンの前にも後にも用事があったので、何とか時間をやりくりして駆けつけた。もう少し余裕があればよいのだが、生活があるので致し方ない。プレゼンといっても内輪の行事で、会場の音楽アカデミーの一室、オルガン・ホールには音楽関係者ばかり30~40人ほどが集まっていた。もっとも、私が音楽関係者といえるかは疑問だが…
 ラトビア音楽情報センターは、作曲家リヒャルト・ワーグナーの名を冠したワーグナー・ホールの中にあり、だいぶ前に遊びに行った(北條さんのCDをプレゼントした)ことがあるが、かなり予算が限られているようで、この弦楽四重奏のCDも、新規録音はなく、1985年から2005年までに録音された音質の良いものを選んで編集されたものである。もちろん、著作権の問題はクリアしている。ラトビア・ラジオの音源も活用されているということで、以前紹介したグンダ・バイボデさんをはじめラトビア・ラジオ3チャンネルの関係者も何人か来ていた。
 プレゼンの司会をしたイナーラ・ヤクボネさんも以前ラトビア・ラジオ3チャンネルに勤めていたので、ラジオ局などいろいろな場所で会っている。会場に来ている作曲家、演奏者に話を聞いていったが、いちいちCDはかけなかった。持ち帰って後で聴けるのだから、まあそれでも良い。プレゼンが終わるとワインで乾杯、と相成った。
 このCDの1枚目には、E.メルンガイリスの"Quasi uno quartetto"、以前このブログで紹介したことのあるイワノウスの「弦楽四重奏曲第1番」、ラトビア音楽アカデミーの創設者ビートゥアルスの「弦楽四重奏曲ト長調」が収められている。2枚目にはI.ゼムザリスの「弦楽四重奏とプリペアド・ピアノのための『雪の前に』」、P.ダンビスの「弦楽四重奏曲第5番」、R.カルソンスの「弦楽四重奏曲」(1曲しかないので番号がつかない。音楽学者に、「あなたは多作なのにどうしてもっと弦楽四重奏を書かないのですか」と訊かれて困っていた)、エインフェルデの(この人の息子は小説家である)「悲しきセレナーデ」、1977年生まれと若いS.ラトニエツェの「アラゴニテ」、1974年生まれのM.ビリュムスの「弦楽四重奏曲第2番」、以上である。

2008年5月1日

日本語表示に変更、など

 このブログはアメリカのものなので、基本的にフォーマットが英語である。今までそのままにしていたが、日付の表示などを日本語に変更した(今まで、変更できることを知らなかった。お恥ずかしい限りである)。少々変なところもあるが一応日本語になった。その他、表示設定を何箇所か変えてみた。何かお気づきの点やご希望があればコメントをいただければ幸いである。
 それから、過去のコメントを見直し、昨年夏にいただいたコメントでいくつか返事していなかったものに、ようやく返事をした。そちらもご覧いただきたい。