ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2008年6月16日

教会コンサート

 先週末、ベンツピルスという西部の港町に滞在していた。リエパーヤも西部の港町だが、そこよりは100km以上北にあり、人口も4万人と少ない。裕福な町で、道路がきれいに整備され、そこかしこにオブジェが置かれていて、散歩する分には楽しいが、文化行事はあまり多くない。
 土曜日に何かないかと探していたら、聖ニクラウス福音ルーテル教会で、オルガンを使ったコンサートが開かれるというので、聴きに行った。小さな町なのでどこでも歩いて行ける。
 出演者は3人。ソプラノのダビッチュカ、新人のようだ。サックスのスィーマニスと、オルガンのアダマイテはどちらも有名な人である。メインがこのような編成の曲なので、この範囲で演奏できる曲を選んだと思われる。
 最初が、何と我らがペレーツィスの曲であった。会場に来てプログラムを見るまで知らなかったとは情けない。「序曲」という名の、サックスとオルガンのための曲である。ペレーツィスは変わった編成の曲が多く、これもその一つといってよかろう。客席から見てオルガンは後方にあり、前方にサックス奏者がいて、両者の掛け合いが見事である。続いて17世紀のポーランドの、作者不詳の「讃美歌43番のパラフレーズ」、その次は1931年生まれのビートリンシュの「光を真理を送りたまえ」、A.カルニンシュのコラール前奏曲「主なる神はわれらの堅固な城」、ドボルジャークの「聖書の歌(讃美歌119番、23番、137番、121番)」メンデルスゾーンのオルガン・ソナタが演奏された。その次の曲にはおやっと思った。アメリカ・インディアンのチョクトー族の解放奴隷の歌を編曲した"Swing low, sweet chariot"という曲。そしてメインのラトビアの若手作曲家、エッシェンワルツの「ダビデの歌」(賛美歌23番、24番、13番)で、コンサートは締めくくられた。