ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2009年4月14日

イースター

 朝晩はまだまだ肌寒いとはいえ、春である。人々の心は浮き浮きしている。ラトビアでは、イースターは金曜日と翌週月曜日を休みにするので、4連休となる。特に予定を入れていなかったが、金曜日はコンサート、土曜日は海辺に遊びに行き、月曜日はツェースィスという町まで足を伸ばした。
 イースターの時期はもちろん、宗教音楽の演奏会が数多く行われるが、リーガ大聖堂でオルガンと合唱の演奏会があったので聴きに行った。プログラムが手に入らなかったのできちんと書けないが、最初がバッハのオルガン作品、そのあとはスウェーデンの作曲家やエストニアのアルボ ペルトの作品などだった。1時間ぐらいで終わってしまったが非常に良い演奏会であった。
 月曜日に訪れたツェースィスという街は、創建800年を以上超える古い街で、リーガから北東へ列車かバスで2時間ほどかかる。現地人にも人気があるし、私も非常に好きな所だ。とはいえ3年ぶりぐらいだったので、久しぶりに古都の風情を楽しんだ。
 地図などは持っていかなかったが、小さな街で歩いて回れるし、少々迷っても帰りのバスや列車に遅れることもない。主な見どころは聖ヨハネ教会と、ツェースィス城跡である。3年前、聖ヨハネ教会で許可をもらって塔の上まで登って街を一望したことを思い出し、再び訪ねてみた。塔は工事中だが、登ってもよいという。ぐらぐら揺れる急な木の階段をおっかなびっくり登ると、以前と同じ鐘のある最上階に着いたが、街を一望できた窓はすべて木の扉でふさがれている。おそるおそる触れてみると、一つが開いた。なんと大きな窓が全開で、そのまま落ちたら命はない。日本だったら、責任問題になるから絶対に観光客に登ることを許可しないだろうが、ここではおおらかというか、自己責任なのである。とても怖かったが写真をとったりして、またおっかなびっくり木の階段を降りた。出る時にはがきより少し大きい教会の図面をもらった。ハサミで切って組み立てると教会の模型になるという趣向である。そのあと周辺を散歩して、列車でリーガに戻った。夜9地を過ぎても明るいので、慣れてはいてもいまだに時間の感覚が狂ってしまう。