ラトビア便り

ラトビア在住の日本人男性が、この国の文化を紹介。音楽情報などを通じてその魅力を探っていきます。

2008年7月20日

合唱祭(歌の祭典)

 このブログは、ラトビアの文化事情を現地からお伝えするものなので、7月5日から12日まで盛大に開催された、5年に一度のラトビアで最も重要な文化行事、合唱祭(正式には「第24回歌の祭典・第14回舞踊の祭典」)のことを、どうして書かないのか、と、事情通の方なら訝しがっておられるだろうと思う。実は、いろいろ事情があって、5日の開会コンサートにしか行けなかったのである。だから何をどのように書こうか、迷っていると同時に非常に忙しかったので、もたもたしているうちにもう1ヶ月が過ぎてしまった(書き始めたのは7月20日だが、公開したのは8月4日である)。まあ投稿が遅れるのはいつものことだが、今回は考えさせられることが多かったので、それも踏まえて2~3回に分けて書こうかと思っている。
 合唱祭は、19世紀後半から約140年の歴史を持つ行事で、ソ連時代も当局の指定したプロパガンダ臭のする歌を歌うことで、開催が許可された。独立時には亡命ラトビア人も大勢訪れて参加し、独立機運を大いに高めた。そういう意味でもラトビア人にとっては特別な意味のある行事である。
 今回は、切符の第1回前売りが2月か3月に行われたと記憶しているが、深夜から大勢の人が並んで、すぐに売り切れてしまった。ここの物価を考えれば、切符代は安くはない。それにしても、売れ行きが異常だったので、ダフ屋行為が横行するのではないかと、新聞などで懸念する声が高かった。私はいつも成り行きで生きている人間で、そんなに早く前売り券を購入する気が起きなかったし、この夏は日本への一時帰国を含めいろいろ慌しくなりそうだったし、祭典にかかわっている友人に頼めばなんとかなるだろうと思ったし、2003年の合唱祭の時はあらかじめ買わなくても、当日会場入り口付近でウロウロしていれば頼み込んで入ることができたので、今回も何とかなるだろうという、甘い見通しがあったのである。
(続く)